キラキラ光る

銀色の結晶・・・

俺たちを・・・

銀色の世界へと連れて行く・・・

 

銀色の世界

presented by 夢馬様

 

 

 

 

「地球、何をしているんだい?」

 

「うわぁあ。見ちゃ駄目だよ!!」

 

昨夜、雪が降ったらしく外は銀色の世界になっていた。

気晴らしに外をぶらぶら歩いていたら、地球が雪で何かを作っている様子が見えた。

 

「ふーん。何で見せてくれないの?」

 

何を作っているのか気になって後ろから除こうとしても、地球が駄目だ!!

と言って見せようとしてくれない。

 

「それは・・・」

 

地球の隙を見て除いてみた・・・

 

「可愛いね。うさぎちゃん?」

 

「わぁああ!!勝手に見るなよ!!・・・女々しいとか思っているだろう・・・。どうせ。」

 

雪で作られた可愛らしいうさぎが俺の目の前に現れた。

地球は顔を染めシュンっと暗くなっている。

そんな可愛いしぐさをする地球を見て俺はクスッと笑うと後ろから抱きしめた。

 

「なっ何んだよ。急に」

 

慌てて俺から逃げようとする地球をさっきより力をこめてギュッと抱きしめる。

 

「うさぎも可愛いけど。地球も十分可愛いよ。」

 

耳まで真っ赤にした地球を見ているとうさぎより可愛いのだけどな・・・と思った。

 

「帰ろうか」

 

地球は雪で作ったうさぎをそぉおっと持って地面におくと、「うん」と言って俺の隣に来た。

俺は地球の手をとり、さっきまで雪を触っていた冷たく赤い手を握りポケットの中に入れた。

 

「地球の手冷たいね」

 

「木星の手は暖かいよ。」

 

顔を見合わせニコッと笑う地球にそっと口付けすると、地球の手がさっきよりほのかに

暖かくなっていくのが分かる。

 

「あ。雪だ・・・。」

 

頬に冷たく、銀色に光る綺麗な結晶たちが降ってきた・・・。

 

「本当だね。早く帰って暖まろうか。」

 

「うん」

 

キラキラ光る銀色の結晶

まるで俺たちを包み込むように降る・・・

この世界が銀色一色に生まれ変わっても俺は・・・

ポケットの中に入っている可愛い手を離すことはないだろう・・・。